ドル、円、ユーロの三つ巴
ドル円相場では3月17日に戦後最安値(76円25銭、報道による為替水準)まで急落後、翌18日には主要7ヶ国財務相・中央銀行総裁(G7)の合意による「協調介入」を受け、一時82円手前まで急上昇した後に膠着状態を続けている。先週の値幅は1円未満という小動きになった。ドル円相場が落ち着きを取り戻した背景には、協調介入が本邦当局の本気度を市場に示したことや、過剰流動性を材料とした投資家のリスク許容度の拡大が、世界的な株価を堅調に推移させたことがあげられる。今週も世界的な株価が堅調さを保てば、投資家のリスク拡大志向が維持され円売りが進む可能性があるが、福島原発の影響が徐々に判明する度に日本の投資家や企業のリスク回避姿勢が高まり、海外投資を手控えるなど円高圧力が高まっていく可能性もある。ただ円高水準では、協調介入の警戒感があり円買いを進めにくい反面、株価が比較的堅調に推移していることや、一旦76円台前半まで急落した経緯もあり、80円台割れの水準で介入が入るかどうか難しい。株安と円高が揃って介入の可能性が高まると思われる。そうでなければ円高水準でも、介入怖いと言いながら、円買いを進めることになる。また今週、本邦機関投資家、企業は年度末最終週で、多少の調整によるドル円の売りも想定できる。
ただ膠着したドル円相場が動き出すきっかけになるのは、金曜に発表される米国の3月雇用統計と思われる。市場予想では3月の非農業部門雇用者数が19万人の増加と、2月19.2万人の増加を僅かに下回ると見ており、3月の失業率では8.9%と2月と同じ水準を維持すると見込まれている。今回で非農業部門雇用者数は6カ月連続の増加となり、懸念の一つである雇用が改善を示すことになる。FRBは出口戦略に軸足を移し、米ドル買い圧力が高まるであろう。ドル円相場の上値は、82円から83円台へ一段高の可能性がある。(FX業者レポートより)
ユーロ圏ではEUサミットで欧州金融安定化基金(EFSF)の貸出上限を2,500億ユーロから4,400億ユーロに増額する具体的方法について最終合意を6月末まで先送りされた。さらに政権崩壊したポルトガルが、6月までの約90億ユーロの国債借り換えに不透明感が残り、欧州連合(EU)、国際通貨基金(IMF)の支援要請の可能性が高まっている。支援要請した場合、ギリシャやアイルランドよりも負債が小さいだとか、既に織り込み済みということで一時的で小規模なユーロ売りが予想されているが、さらにスペインやイタリアへの飛び火の可能性があり、投資家のリスク回避姿勢が強まることまで考慮しなければいけない。ただ、現状では欧州中央銀行(ECB)の定例理事会が来週7日に予定されており、この会合での利上げ観測の期待がユーロを強力に支えている。FXスワップ派にはうれしい方向に向かっているようである。
最後に、バーナンキFRB議長が1年間に4回、連邦公開市場委員会(FOMC)終了後に記者会見を行うと発表した。昨年12月の世論調査では、過去最大規模の金融刺激策に対し、米国民の過半数がFRBへの政治支配を強めるか、直ちに廃止すべきだと回答していた。FRBに対する世論の不信感払拭を目指す同議長の取り組みとしては、最も画期的なものの一つとなり、FRBの意思を正しく伝えることができる。FRBは金融政策を行う手段を一つ増やしたことになり、金融市場への影響力をさらに高めることになる。FX自動売買システムを利用しながらうまくトレードしていこう。